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黒森?号

●黒森号になるまで
 衝撃的出会い?
 アルピナがやってきた!
 



衝撃的出会い? ただの暴挙かも(笑)

2002年4月は本当に忙しかった。普段はほとんど残業をしない主義の黒森が連日の残業、土日もほとんど出勤せざるをえないという状況。本当に忙しい人からすればこの程度は当たり前だろうが……
黒森2号の排気漏れ修理も完全に作業がストップしている。毎日車を触らないと禁断症状がでるというほどではないが、進行中の作業がストップしてしまうのは精神衛生上よろしくないのは事実。肉体的、精神的にも披露がピークに達した時、人間は思いもよらない行動を取ってしまうということを実証してしまったというところだろう。
忙しい中にもほんの少し、息抜きをする時間ができるものだ。何気なくブラウザを立ちあげ、Yahooオークションにアクセスする。いつものように検索してみると……

「レストアベース 83年式アルピナC1 2.3 500円スタート!」

出品情報によると、ボディはサビ多し、一カ所ガソリン漏れはあるものの機関良好、クラッチ滑り無し。オークション終了は3日後、現在の入札価格は3万円。ボディの状態が気になるが、これはかなり美味しい出物かも……より詳細なコンディション、現車確認後のキャンセルの可否を質問して様子を見ることにする。
翌日、出品者より回答あり。外観で目視できるだけで5カ所の穴あり、細かいサビは多数、塗膜は完全に死んでいるので再塗装が必要、出品地は埼玉、走行距離は130000km、並行車、抹消済みだが書類は一通り揃っているので登録は可能、現車確認後のキャンセルは可。この時点で価格の変動は無し。ボディの状態はかなり悪そうだが、エンジン等の部品取りと考えると激安かも。オークション終了時間は幸か不幸か平日の昼間。勤務時間中なのでアクセスは何とでもなる。とりあえず終了直前まで動向を見守る。
オークション終了30分前に確認すると、入札金額は7万円になっている。10万円は超えているかと予想していたが、やはりサビ多数で敬遠しているのか?仮にボディの修復が不可能でも、アルピナのエンジン、ミッション、デフ、ホイール、これだけでも10万円以内で手には入るなら安いかもしれない。悩んでいてもキリがない。自分で納得できる金額を入札して、これを上回れば諦める。落札できたら覚悟を決める!既に冷静な判断力を失っているようだが、その時は気付くはずもない。

30分後……あっさり落札してしまいました(^^;

こうなればマジで覚悟を決めるしかない。
出品者とメールでやり取りをして車の詳しい状態も教えてもらったが、やはり自分の目で確認せずに購入するのは勇気がいる。改めてキャンセルについて確認したところ、現車確認後であればペナルティ無しでOKとの返事をもらう。死ぬ気で仕事をある程度まで片付けてGWを確保、埼玉まで現車を見に行くことにする。
深夜に大阪を1号で出発。高速料金をケチって岡崎までは下道を走る。途中、目の前に赤いフラッシュが光ったような気がするが、きっと気のせいだ。気のせいに違いない……(涙)このような不幸な出来事はあったものの、事故もなく東京着。ここから目的地までは1時間もかからない距離のはずだが、都内は予想外の大渋滞。GW中で都心の交通量は減っているだろうと思ったが甘かった。余裕を持って到着するはずだったが、結局、約束の時間に少し遅刻することになってしまった。

アルピナはとある板金屋の片隅で静かに佇んでいた。遠目に見てもわかる完全に光沢を失った塗膜がすべてを物語っている。詳細を確認するまでもなく目に飛び込んでくるサビ、朽ち果てて開いた穴。下回りを覗き込むとサビでアンダーコートが浮いている部分が多数確認できた。サブレ状に朽ちている部分も見られる。売り主さんの話によると抹消登録されたのは約10年前。その後、ボディカバーをかけた状態で雨ざらしになっていたらしい。カバーの内側に湿気が溜まり、必要以上にサビを進行させてしまったのだ。ガソリンが入っていないのでエンジンの始動はできなかったが、バッテリーを繋げばセルは元気に回りクランキングもしている。この場所に駐車するために敷地内を自走したというのだから、エンジンのコンディションは決して悪くないようだ。となると問題はボディのコンディションである。原型すら留めないような廃車を相手にしている気合いの入った「オールドタイマー」から見れば新車に近いコンディションかもしれないが、黒森のようなズブの素人がレストア入門用にするにはかなり手強い相手である。売り主さんの「どうですか?」の問いかけに、唸る以外の答えができない。やはりボディの状態が悪すぎる。この話は無かったことに……と言いかけたところに、売り主さんの方から大幅な値引きを提示してもらえた。売り主さんに利益は出ないが損はしない値段。本来なら大阪までの陸送費用は別途負担ということだったが、全部コミコミで落札価格でいいというのと同じコトになる。これなら4月の残業手当だけで十分賄えてしまう。
保管場所の問題、部品取りした後のドンガラの処理等、様々な問題が残っているが、この金額でアルピナチューンのM20が手に入るチャンスなど二度とないだろう。しばし考えを巡らせた後、売り主さんに購入の意志を伝えた。こうなれば後の話は早い。その場で代金を支払い、こちらの都合を伝えて希望の日時に陸送の手配をすぐにしてもらう。多少の手間はかかったが、やはり実車を確認したのは正解だった。お互いに納得できる形で満足できる取り引きになったと感じている。

現在、2号を知人に預かってもらい、自宅ガレージにはアルピナが収まっている。