シート
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運転席:RECARO SR-II Rev.3(正規輸入品)
助手席:RECARO SR-III(並行輸入品)
1号購入後に最初に交換したパーツ。正規品と並行品で型番は違うが、形状はまったく同じものである。当時の正規輸入品の価格は並行品の倍以上。ならば正規品の半額以下の並行品SR-IIIが断然お得だが……その頃、Z3用のシートレールはRECARO純正以外になかった。しかもRECARO純正シートレールは正規輸入のシートを所有していることが購入の前提になっていた(シートのシリアルNo.の提示を求められた)。というわけで最初は正規品を購入するしかなかった。
ちなみに、正規輸入されたSR-IIには幾つかのバージョンが存在する。
元々はショルダーサポートの張り出しが大きい形状であったが、Rev.3はSR-IIIとまったく同じ形状である。
当時のカタログにはSR-IIIも記載されていたが、生地の柄がグレーのチェック柄のみになっていた。並行品で定番になっているルマンカラーは正規SR-IIIには存在しない。
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●Z3にRECAROは装着できない?
RECAROのサイトによると、Z3は1.9最初期型のアニバーサリーモデルのみ対応となっている。このためショップ(特にRECARO正規代理店の看板が出ているショップ)で「Z3は装着不可」と言われることも少なくない。ネットでもそのような話を時々見かけることがある。
しかしシート取り付けのボルト位置は1.9は全年式同じである(多分1.9以外のモデルでも同じはず)。結論から言ってしまうと装着すること自体はアニバーサリー用のレールを使えば可能である。
ではRECARO社がアニバーサリー以外は対応不可とする理由は何か?
これは純正シートに装着されているセンサーにあるのではなかろうか。純正シートの助手席側には人が座っているかを判断するためのセンサー(着座センサー)が仕込まれており、これに入力がある場合のみ事故の際にエアバッグが開く仕組みになっている。シートを純正以外のものに交換すると、このセンサーが無くなるためにエアバッグ警告灯が点灯する。
また運転席側には事故の際にシートベルトを締めるためのテンショナーがシートベルトキャッチに付属している。これにもセンサーが仕込まれており、入力が無くなるとエアバッグ警告灯が点灯する。ちなみにアニバーサリーモデルにはこの運転席側のセンサーは装備されていないらしい。
エアバック警告灯が点灯した状態では、事故の際にエアバッグが開かなくなる。ポン付けを推奨してエアバッグが開かない事態が頻発すると、メーカーとしては大問題である。メーカーとしてエアバッグの問題を回避できる確証を持っているのがアニバーサリーモデルに限定されるということであろう。このため、RECARO社がアニバーサリーモデル以外は対応不可とする理由であると黒森は考える。
以前、Z3の場合は純正シートを分解して着座センサーを移植しないとシートを売れないという話をRECARO直営店で聞いたことがある。また、実際に純正シートを分解してセンサー類をすべて移植したRECAROを使用している人もいる。ここまでやれば純正シートとまったく同じ状態でRECAROを装着することができるが、センサーを取り外された純正シートは事実上再使用不可になってしまうだろう。また、SR系のセミバケットシートはこの方法で対応できるが、SP-G等のフルバケットシートは無理なような気がする。
単にエアバッグ警告灯を消すだけなら、センサーへ繋がるコネクタにダミー抵抗を接続すれば良いらしい。このような商品も実際に販売されている。その後、ディーラーでECUをリセットしてもらえばエアバッグが正常に動作するようになるということだが、不確定情報なので真偽のほどは不明である。
黒森としては、シートを交換すると事実上エアバッグが使用不可になるとするのが妥当だろうと考える。
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●超ローポジションシートレール
RECARO純正のZ3用シートレールではポジションが少々高すぎる(黒森の座高が高すぎる?)ので、超ローポジションシートレールを作ってみた。
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オークションでRECARO純正のFD3S助手席用を安く落札して加工。FD用のステー等はすべてサンダーで切り取ってスライドレールだけして、Z3のシート固定ボルト穴に合わせて足を溶接。左側のレールはシートの固定位置に合わせてあるが、右側はセンタートンネルに干渉するので左側にオフセットし、鉄板で作ったステーを介してシートに固定することにした。右側のレールにはさらにシートベルトキャッチ固定用のステーを溶接してある。加工箇所は以上だが、現物合わせのトライ&エラーだったため、えらい面倒な作業だったことを付け加えておく。
サンダーと溶接の作業はすごく楽しかった(笑)
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RECARO純正レールと高さを比較してみた。
高さの違いは一目瞭然。自作レールはシートとスライドレールの間にスペーサーを咬ませてある。スペーサーはアルミ板に穴を空けたものなので、枚数とアルミ板の厚みで微調整できる。現状は前9mm、後ろ6mmで若干後ろ下がりにしてある。
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実際に車に乗せた状態がこれ。
十分に考慮したつもりでもセンタートンネルと干渉して取り付けにはやっぱり苦労した。もう外すのは嫌や(笑)
これでヘルメットを被ったままでも幌が閉められるようになったし、オープンにしたときに頭のてっぺんが出ることもなくなった(笑)
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後日談
シートのスライドがかなり重くなってしまった。現物合わせの採寸がアバウトすぎてスライドレールが平行になっていない、取り付けボルトと干渉している等、幾つかの不具合が重なっているようだ。
スライドレールが平行になるように取り付け用ステーを再作成。シート取り付け位置も変更して各部への干渉をなるべく少なくするようにしてみた。これでかなり動作はスムースになったが、まだまだ追い込みが必要なようだ。
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