ウォーターポンプ交換
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作業実施日:2006/11/05 走行距離:約75000km
その名前のとおり「水」、つまり「冷却水」を循環させるためのポンプ。これが死ぬとオーバーヒートを起こし、最悪の場合はエンジンが再起不能になってしまう。難儀なことにBMWのウォーターポンプは、10万km以内にほぼ確実に壊れてくれる。アイドリング時に「ピヨピヨ」とヒヨコが鳴くような音が聞こえてきたら、ウォーターポンプが寿命を迎えている証拠である。ヒヨコが巣くったら、早めに交換しておこう。
【注意】
以下の作業内容には肝心な記述が抜けていたり、詳細なデータが記載されていない場合がある。
黒森の作業手順を鵜呑みにしないで、必ずサービスマニュアル等で手順、締め付けトルクなどのデータを確認してから作業を行うように!
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1. ジャッキアップ
四輪ともジャッキアップして、しっかりとウマをかけておくこと。車体の下に潜っての作業になるので、ジャッキだけでクルマを支えるのは厳禁!
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2. クーラントを抜く
ラジエータクーラント(冷却水)を抜いておく。
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3. オルタネーターベルトを外す
オルタネーターベルトを外す前に、ウォーターポンププーリー(赤で囲んだパーツ)を固定してあるボルトをゆるめておく(完全に外さない)。ベルトにテンションがかかった状態でないとボルトがゆるめられない。気付かずにベルトを外してしまうと、黒森のように何度もベルトを掛け直すハメになるので気をつけよう。画像は気付かずにベルトを外してしまった状態である(^^;
プーリーのボルトをゆるめたら、オルタネーターベルトを外す。手順はこちら。
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4. ウォーターポンププーリーを外す
ベルトを外したら、ウォーターポンププーリーを外す。
これでウォーターポンプ本体が露出する。
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5. ウォーターポンプを外す
ポンプ本体を固定しているボルト4本を外す。しかし、これだけではポンプは固着していてビクともしない。
赤で囲んだ位置にサービスホールがある。ここに6mmボルトを立てて上下均等にねじ込んでいくと、ポンプが少しずつ出てくる……はずだったのだが……
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6. トラブル発生!
サービスホールに立てたボルトをねじ込んでいく。上下均等になるよう気をつけてねじ込んで行くが、突然、上のボルトからレンチが外れた。ボルトが折れたかと思ったら、画像のようにポンプ側が割れてしまった orz
ちなみに下側のサービスホールも汚れが溜まっていたようで、ここから更にねじ込むとボルトが折れてしまった。ポンプはガッチリ固着したままで、出てきた形跡は無い。
当然ながら手で引っ張って動くはずもない。プラハンで叩いても事態は好転せず。さて、どうしたものか……
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7. 即席プーラー作製
手持ちの工具ではどうしようもないので、即席のプーラーを作ることにする。
近所のホームセンターへ走って、L字アングル鋼とボルトを調達。プーリーフランジに固定できるように穴を開け、更に外側にエンジンブロックを押すような形でボルトを通す。
画像のように設置する。エンジンブロックにボルトが当たる部分には鉄板の端材をあてて、一カ所に力が集中しないようにしておく。これで外側のボルトを少しずつ均等に締めていけば、ポンプが外せるはずだ。
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8. やっとポンプが外れる
即席でデッチあげたプーラーが、何とか思った通りの動きをしてくれたようで、やっとポンプが外れた。
ポンプが外れると、エンジン内に残ったクーラントが出てくるので、必ず受け皿を下に置いておくようにしよう。
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9. 新旧ポンプの比較
右が元から付いていた古いポンプ。冷却水を循環させる羽が金属製である。左が新しいポンプ。オークションで安く入手した純正品だが、羽が樹脂製になっている。この樹脂製の羽が割れるというトラブルも良く耳にする。確かに金属製の方が耐久性は遙かに高いと思うが、やはりコスト高になるのか?樹脂製でも純正採用されるのだから、交換時期を間違えなければ問題ないということだろう。
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10. 新しいポンプを取り付ける
ポンプを取り付け、4本のボルトを均等に締めていく。均等に規定トルクで締めないと水漏れの原因になる。
Z3 1.9のM44エンジンはアルミブロックなので、ボルトが斜めに入ったり締め込みすぎると、簡単にネジ山をナメてしまう。黒森は一カ所やってしまった。幸い入り口を少しナメただけだったのでタップで修復できたが、ボルトがスムーズに入ることを十分に確認してから、工具で締め込むように気をつけるべき。
後はプーリーを取り付けて、ベルトを掛ければ交換作業完了である。
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