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黒森1号

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●Maintenance●
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 グローブボックス脱着
 ハンドルコラム脱着
 メーターパネル脱着
 純正シート脱着
 



ドアウィンドウ調整
ドアウィンドウの開閉動作が重くなるのはBMWの持病とも言える典型的なトラブルの一つ。黒森1号もご多分に漏れず助手席側のウィンドウが開閉時にギーギーと派手な音を立ててくれる。ちょっとうるさいだけと気にしていなかったが、窓が完全に開ききらない、閉まりきらないという事も多くなり、症状は次第に悪化する一方のようだ。このまま放置すると高負荷でウィンドウレギュレータがお亡くなりになったり、リンケージに無理な力がかかってガラスが落ちるという最悪の事態に発展することもあるらしい。
また、ある程度以上の速度域になると、助手席側からかなり大きな風切り音が出るようにもなってきている。これはウィンドウを閉めきった時にガラスが上がりすぎていることが原因。これも気にしなければどうというものでもないのだが、一度気になってしまうと耳障りなのも事実。
というわけで、この機会にウィンドウ周りを調整してみた。

ウィンドウの動きが重いだけなら、ガラスラン(ウィンドウガラスの通り道になっているレール状の部分)に市販のシリコンスプレー(速乾性のドライシリコンが良い)を吹くだけでも大幅に改善される。
まずはシリコンでの潤滑を試してみて、改善されないようなら分解しての調整を検討するのが良いだろう。

【注意】
以下の作業内容には肝心な記述が抜けていたり、詳細なデータが記載されていない場合がある。
黒森の作業手順を鵜呑みにしないで、必ずサービスマニュアル等で手順、締め付けトルクなどのデータを確認してから作業を行うように!

必要な工具
10mmレンチ、トルクスレンチ(T20とT25)、内張り剥がし(マイナスドライバやバール状のもので代用可能だが、専用工具があったほうがやりやすい)、カッターナイフ、黒ゴム接着剤(無くてもなんとかなる)、グリス
パワーウィンドウのリンケージの調整が必要な場合は13mmと17mmのレンチも必要。
ビニールテープなんかもあったほうが便利。

調整前の状態 1. 調整前の状態
これが窓を完全に閉めた時。丸で囲んだ部分がちょっと出っ張りすぎている。窓が完全に下がりきらないし、風切り音の原因にもなる。パッキンゴムが伸びないくらいの位置にあるのが正常な状態だが、そこまで下げてしまうと雨漏りしてしまうかもしれない。状態を見ながらトライ&エラーで調整することにする。
内張り剥がし その1 2. 内張りを剥がす(1)
まずは丸で囲んだ2カ所を外す。
運転席ならサイドミラー調整のスイッチがある場所は、蓋がかぶせてあるだけ。マイナスドライバなどで軽くコジってやれば外れる。
ドアハンドルのカバーは前にスライドさせれば外れる。外れるのは周りのカバーだけで、レバーはドアに残る。
内張り剥がし その2 3. 内張りを剥がす(2)
上記のカバーを外した状態。
丸で囲んだ部分にトルクスT20のネジがあるので外す。
内張り剥がし用の工具 4. 内張りを剥がすための工具
ここからが内張り剥がしの本番。
こんな工具があると作業がやりやすい。今回は上の大きな樹脂製の工具だけを使った。
内張り剥がし その3 5. 内張りを剥がす(3)
内張りは6カ所のホックで留められている。
赤丸の周辺に工具を差し込んでコジると剥がれる。ホックは樹脂製のため折れることもあるので、念のために予備を用意しておいたほうが安全かも。
黒森は予備を用意せずに一発勝負、見事に破損無し。勝った(笑)
この時点で内張りにはツィーターのケーブルが繋がっているので、無理に引っ張らないようにする。
ツィーターのコネクタ 6. ツィーターのコネクタを外す
ツィーターに繋がるケーブルのコネクタ。
引っ張れば右のように外れる。かなり固いかもしれないが、特にロックのための機構はなかったと思う(記憶不鮮明)。これでドアから内張りが完全に剥がれることになる。
保護のために巻かれてあるスポンジを黒森は剥がしてしまったが、剥がさなくても外れたかも。
インナーカバーを剥がす 7. インナーカバーを剥がす
ドアに貼られているインナーカバーを剥がす。
カバーは弾力性の高いゴム系接着剤で貼られてある。引っ張っても接着剤が伸びるだけなので、カッターで切りながら剥がす。
剥がした後も接着剤の粘着力が残っているのでボディや服に付けないように注意が必要。
カバーは再使用不可とされているが、カバーに破損が無い限り再使用しても問題はないと思う。接着剤の粘着力が残っているのでそのまましっかりと貼り付ければよい。
ガラスの高さを調整するボルト 8. ガラスの高さを調整する
ガラスの高さを調整するためのボルト。
窓を上げた状態では見えないので、少し窓を下げておく必要がある。トルクスT25で回して調整する。
「1. 調整前の状態」の画像で示したパッキンゴムが伸びない程度に調整するのが基本だが、現物合わせで調整するのが良いだろう。今回は基準値より少し高めに調整した。
スライドレールのグリスアップ 9. スライドレールのグリスアップ
矢印で示した奥にガラスのスライドレールがある。
開閉時にギーギーと音がするときは、ここのグリスが切れている場合が多い。黒森号もグリスがほとんど無い状態だったので、グリスアップしておいた。
スライドレールの角度調整 10. スライドレールの角度調整
通常は調整の必要は無いと思うが、スライドレールの角度調整で開閉動作がスムースになる場合がある。
ドア下部にある前後2カ所のボルトをゆるめると、スライドレールの角度が調整できる。前のボルトは三角窓の角度にも影響する。Aピラーからの雨漏りがある場合など、ここの調整で治ることもある。
前後のレールは微妙なバランスで成り立っており、下手に調整すると更に動作が重くなってしまうこともある。ベストのポイントがなかなか見つけにくい箇所なので、グリスアップで現状が多少でも改善したなら、無理にさわる必要はないだろう。
内張りの取り付けの準備 11. 内張りの取り付けの準備
ウィンドウの調整が完了したら、内張りを元に戻す。
まず、ドアに残っているカバーを取り外し(上図)、内張りに取り付ける(下図)。カバーは下図の赤ラインで示したように、内張りの後側に約1cmの隙間を開けて取り付けるようにする。
ベロ状のゴムが内側に入り込んでいるので、マイナスドライバなどで持ち上げて、内張りにしっかりと掛かっている状態にしておく。
12. 内張りの取り付けと確認事項
インナーカバーを貼り付け、ツィーターコネクタを接続し、内張りを取り付ける。ホックの位置を合わせて、手で叩き込めばよい。内張りが付いたら、外したネジ、カバー類をすべて取り付ける。
内張りの取り付けが終わったら、以下の事項を確認しておく。
・ドアウィンドウの開閉状態(内張りの有無で動作が変わる場合がある)
・ドアの開閉(車外、車内ともに開閉可能か)
・ドアロックの動作

以上に問題がなければ作業は完了。
調整後
ウィンドウの開閉は格段にスムースになった。ギーギー音もグリスアップでほぼ解消。風切り音は若干残っているが、ほとんど気にならないレベルなので良しとしよう。
気になるのは幌側のパッキンとの当たりが弱くなってしまったので、雨漏りの可能性が増えてしまった事。洗車で重点的に水をかけると、やはり車内に水が染みてしまう。普通の雨で漏れるほどではないので、しばらくは様子見といったところか。