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黒森1号

●Customize●
 Exterior
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 Interior
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 Engine
  エンジンルーム
  ウォッシャータンク
  エアフィルタ

●Trouble●
 ボディ小キズ補修
 ラジエータ
 サイドエンブレム脱落
 純正シートのガタつき
 トランク雨漏り
 
●Maintenance●
 リアアッパーマウント交換
 ドアウィンドウ調整
 エンジンマウント交換
 ミッションマウント交換
 エアコンベルト交換
 オルタネーターベルト交換
 ベルトテンショナー交換
 ウォーターポンプ交換
 フューエルフィルタ交換
 
●Tips●
 ネジはどこ?
 リア小物入れ脱着
 純正オーディオ脱着
 センターコンソール脱着
 グローブボックス脱着
 ハンドルコラム脱着
 メーターパネル脱着
 純正シート脱着
 



エンジンマウント交換
重いエンジンを支えて、振動を吸収してくれるゴムの固まりがエンジンマウント。BMWに限らず定期交換が必要な部品である。BMWの直列エンジンは右側に傾斜した状態でエンジンルームに収まっているため、右側のマウントは特に負担がかかりやすく劣化も早い。エンジンマウントが劣化してくると、エンジンの振動を吸収しきれずに車内に不快な振動が増えたり、エンジンの揺れが大きくなって駆動ロスが大きくなる等の不具合が出てくる。交換せずに放置するとマウントが千切れてエンジンが落ちるというコトもあり得る。黒森1号も今年で9年目、走行距離も70000kmを超えている。何となく不快な振動が増えてきているように感じていたし、目視でも明らかに潰れているのが確認できたので交換作業を行った。
Z3 1.9用(E36 318等の4気筒モデルと共通)のノーマルに交換したのでは芸が無いので、強化パーツの定番、BMW純正のE36 M3用のマウントに交換した。4気筒用より硬いゴムがギッシリと詰まっているので、結果として強化マウントになるというものである。ちなみにZ3の6気筒モデル(M含む)はE36 M3と同じエンジンマウント、ミッションマウントが使われているので、この流用技は意味がない(^^;

【注意】
以下の作業内容には肝心な記述が抜けていたり、詳細なデータが記載されていない場合がある。
黒森の作業手順を鵜呑みにしないで、必ずサービスマニュアル等で手順、締め付けトルクなどのデータを確認してから作業を行うように!

1. ジャッキアップ
四輪ともジャッキアップして、しっかりとウマをかけておくこと。車体の下に潜っての作業になるので、ジャッキだけでクルマを支えるのは厳禁!
車体下から見たエンジンマウント 2. 下のナットを外す
車体の下に潜って、エンジンマウントを固定しているナット(画像の赤丸で囲んだナット)を外す。
これは見ればすぐにわかるので簡単。
上から見た右側のエンジンマウント 3. 右側の上のナットはここにある
右側は隙間が多いのでナットがよく見える。
上から見た左側のエンジンマウント……見えない(^^; 4. 左側の上のナットは……
左側は配管がゴチャゴチャしていてナットが見えにくい。赤丸の下あたりにあるので、配管を少しズラしてやればナットが見えるはず。
エクステンションを使ってナットを外す 5. 上のナットを外す
下に潜っての作業もできないわけではないが、長いエクステンションを使って上からゆるめるのが楽。このエクステンションは約80cm、わずかだが首振り機能がある。特に左側のナットを外すときにはこの首振りが強い味方になる。ソケットをしっかりとナットに挿して、ナメないように注意すること。
ジャッキでエンジンを持ち上げる 6. エンジンを持ち上げる
局所的に加重がかからないように木片等を咬ませてからオイルパンにジャッキをかけ、マウントが取り出せるまでエンジンを持ち上げる。
タワーバーを装着している場合は、ジャッキをかける前に外しておく。でないとタワーバーが邪魔になって、マウントが外れるまでエンジンが上がらない。
黒森は面倒だったので油圧ジャッキを使ったが、この作業には手回しのパンタグラフジャッキを使うのが一番。理由は後ほど。
新品と70000km走ったマウントの比較 7. 取り出したマウントを新品と比較してみる
お約束の画像(^^;
右が新車当時から黒森1号に装着されていたエンジンマウント、左が新品のE36 M3用。同じ角度で置けなかったのでわかりにくいが、実物を見れば新品より潰れているのがよくわかる。
Z3用の上部には溝があるが、M3用には無い。硬いゴムがギッチリ詰まっているので、結果として強化マウントになる。
千切れていた右のマウント 8. で、右側のマウントはと言うと……
みごとに千切れていました orz
何度かサーキットも走っているし、BMWの構造上どうしても右側のマウントに負荷がかかりやすいので、これは仕方ない。50000kmが適切な交換時期だったかも。
新しいマウントを装着 9. 新しいマウントを装着する
新しいマウントを装着して、ジャッキを下ろす。この時、ボルト穴の位置を合わせるのに微妙な上げ下げが必要になる。パンタジャッキなら回し加減で簡単に調節できるが、油圧ジャッキは油圧を抜くと一気に落ちてくるので非常に面倒。だからエンジンを上げるのにパンタジャッキを推奨したわけである。
規定トルクで4つのナット(セルフロックナットなので再利用不可。新品を用意しておくこと)を締めて交換作業は完了。
交換後のインプレッション
M3用に交換して、車内に伝わるエンジンの振動が余計に大きくなった(^^;
これは交換後にエンジンをかけてすぐにわかるくらい。強化マウントになったのだから当たり前の事だが、このへんの感覚が鈍い黒森にもハッキリわかるのだから大概なのだろう。
乗り心地や静寂性を重視するなら、M3用は絶対に使ってはいけない!
この効果で駆動ロスが減っているはずだが、それは体感できない(^^; プラシーボ効果以上のモノがあることを信じるのみである。